お酒や料理の写真をスマホで撮っても「何だか様にならない…」といった経験はありませんか?ちょっとしたテクニックを使えば、スマホでもプロのようなカッコいい写真を撮ることができます。
今回は、誰でも簡単に実践できる「スマホでお酒を上手に撮影するテクニック6選」をご紹介します。日本酒やワインの場合、お家やお店で撮る場合など、さまざまなシチュエーションで使えるので、ぜひテクニックを駆使してお酒のログ(記録)を楽しんでくださいね。
【初級編】上手に撮るための基本を押さえよう
まずは、写真を撮る時に押さえておきたい基本を確認しましょう。お酒や料理だけでなく、あらゆる撮影シーンで役立つテクニックです。
1.「半逆光」「サイド光」で撮る
被写体に対してどの方向から光が当たるかによって、写真の印象はずいぶん変わります。光が真正面に当たる「順光」の場合、被写体の色や形が分かりやすいものの、フラットで味わいのない印象になります。
「逆光」で撮ると重厚感やムードのある写真になりますが、暗い場所では被写体が黒く潰れやすく、色や形を魅力的に表現できないこともあります。
お酒や料理の写真は「半逆光」や「サイド光」で撮るのがおすすめです。被写体の色や形をしっかり伝えつつ、ほどよく陰影がついて立体感や質感を表現できます。
2.周辺を整理する
フレームの中に不要な食器類が写っていると、雑然とした印象で洗練された写真から遠ざかってしまいます。また、お酒の瓶に余計な影が写り込む原因にもなります。撮影前に周辺を整理して、フレーム内に不要な食器が写り込まないようにしましょう。
周辺を整理しても瓶への写り込みが目立つ場合は、ラベルにクローズアップして撮るのもよいでしょう。
3.望遠レンズやズームで撮る
スマホカメラの広角レンズは、写真の中心から離れるほど歪みが出る特性があります。ボトルやグラスの歪みを避けるためには、被写体から離れて望遠レンズで撮るとよいでしょう。
iPhone7 Plus以降の上位機種のiPhoneカメラには、広角レンズと望遠レンズの切り替え機能が搭載されています。カメラアプリのファインダーに表示される「1×」「2」「3」などをタップして望遠のズーム倍率を選択します。
Androidスマホにも、広角と望遠の切り替えができるカメラが数多くありますので、ご自身のスマホをチェックしてみてください。
望遠レンズがないスマホの場合は、被写体から離れてズームで撮ると歪みを軽減できます。ただし、ズームするほど画像は荒くなっていく点には注意しましょう。
4.ポートレートモードで撮る
ほとんどのiPhoneやAndroidカメラにある、ポートレートモードを使うこともおすすめです。ポートレートモードを使うことで、ピントが被写体に合った状態で背景がボケて、一眼レフで撮ったような雰囲気のある写真になります。
背景のボケ具合は「f値」のメモリを左右にスライドして調整します。f値の数字が小さいほどボケ具合が強く、数字が大きいほどボケ具合は緩やかになります。f値を調整して好みのボケ具合を表現しましょう。
グラスやお猪口を手前に掲げてボカす「前ボケ」の写真は、奥の主題を明確にしつつ、目の前にお酒があるような臨場感を表現できます。ポートレートモードで奥の主題にフォーカスを合わせてタップ(または長押し)し、オートフォーカスをロック。そのまま手前にボカしたいグラスやお猪口を掲げると前ボケの写真が撮れます。
【中級編】さらにひと工夫でカッコよく撮ろう
ここからは、さらにカッコいい写真を撮るためのワンランク上のテクニックをご紹介します。プロが写真を撮る際、常に頭に置いているテクニックですが、ポイントを押さえればスマホでも簡単にマネできます。
5. アングルを工夫する
アングルとは、被写体に対してカメラを構える角度のことです。同じ被写体であっても、アングルによって伝わるイメージは大きく異なります。自分の伝えたいイメージに応じてアングルに変化をつけてみましょう。
お酒だけの場合
お酒のボトルをリアルに見せたい時は、正面からのアングルが適しています。ボトルの存在感や迫力を際立たせたい場合は、縦向きや下からのローアングルがおすすめです。
四合瓶やワインボトルであれば、片手で持ちながら撮影することもできます。人の手が入った写真のリアルさや説得力も、ひとつの魅力です。アングルに決まりはありませんので、自分が表現したいことを意識してアングルを工夫してみましょう。
料理も一緒に撮る場合
料理を魅力的に見せたい場合は、斜め上からのアングルがおすすめです。食べる人とちょうど同じ目線から撮ることで、料理を目の前にした期待感と臨場感が伝わる写真になります。
料理を主役にオシャレな写真を撮りたい時は、真上からの俯瞰で撮るとよいでしょう。片手にボトルを持ちながら撮ると、お酒のラベルもしっかり見せることができます。
飲みログアプリに投稿しよう!
飲んだお酒を簡単に記録できるアプリ「飲みログ」。お酒のシーンを撮るだけで、AIがボトル部分を検知して画像を切り出してくれるので、手間なく簡単に自分だけのコレクションページが作れます。
分かりやすくカッコいいコレクションページにするコツは、アングルにあります。ラベルが正面を向くよう、できるだけボトルに対して真っ直ぐ撮るようにしましょう。
6.構図を工夫する
写真の構図とは、「フレーム内の被写体の配置」のことです。構図を考える際には、被写体の中でも「主役にするもの」「脇役として入れたいもの」を決めておく必要があります。被写体が多すぎると何を伝えたいか分からない写真になるため、被写体は2〜3点に絞りましょう。
三分割構図
バランスを取りやすい代表的な構図が「三分割構図」です。フレームを縦横それぞれ三分割にした際、線が交わる部分に「主役」「脇役」を配置します。三分割構図では程よい余白が生まれるため、その場の空気やストーリー性を感じられる写真になります。
二分割構図
比較的簡単なのが「二分割構図」です。フレームを左右または上下で二分割し、それぞれに被写体を配置します。分割のラインが真っ直ぐで、コントラストがハッキリしているほど、二分割構図らしいメリハリのある写真になります。
日の丸構図
被写体を中心に置く「日の丸構図」は、その場の雰囲気より、主役だけに注目させたい時に用いる構図です。商品カタログのような説明的な写真になってしまいがちですが、背景を強くぼかすことで雰囲気のある写真になります。
対角線構図・ジグザグ構図
被写体を横並びではなく「対角線上構図」や「ジグザグ構図」で配置することで、写真にリズムと程よい余白が生まれて、ぐっとオシャレに見えます。
三角構図
高さの違うボトル・グラス・食器を写す場合は、「三角構図」を意識して配置することで、奥行きや安定感のある写真になります。被写体の配置だけでなく、フレーム内のどこかに三角形を作ることを意識するだけでも、写真に安定感が生まれてワンランク上の仕上がりになります。
【実践編】テクニックを駆使してプロっぽく撮ろう
ご紹介したテクニックを使ってスマホで撮影した作例をご紹介します。
お家で撮る
ワインボトルとワイングラスを「対角線構図」かつ「三分割構図」に配置し、バランスを取りながら余白をゆったり設けています。余白が多い分、「ポートレートモード」で背景を強めにボカし、空気感を伝えながら主役がワインボトルであることを明確にしています。
「お酒と肴」がテーマであることを伝えるため、被写体すべてにピントを合わせています。被写体が多いため、すっきり整然と見える「三角構図」で配置。「サイド光」により右サイドに陰影が生まれ、お猪口や料理の立体感・質感が伝わります。
お店で撮る
お猪口、酒瓶、料理の配置は「三角構図」ですが、手前のお猪口に高さをつけることで、平面的ではなく奥行きのある構図にしています。お店の雑然さを軽減しながらも賑わいを感じられるよう、背景を「ポートレートモード」でボカしています。
「斜めアングル」で料理を目の前にした期待感を表現。かつ「二分割構図」に近い大胆なクローズアップで、料理の典雅さとお酒の力強さを伝えています。
テクニックを活用してお酒の撮影を楽しもう!
今回は、スマホでお酒を上手に撮影するテクニック6選をご紹介しました。お店で写真を撮る場合は、周囲の迷惑にならないよう撮影マナーに配慮してくださいね。ご紹介したテクニックを駆使して、すばらしいお酒と肴に出会った感動を写真に残しましょう!