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「原酒(げんしゅ)」とはどのような日本酒?定義や特徴・飲み方を詳しく解説

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posted on 2022-12-19
updated on 2022-12-19

「原酒」とラベルに書かれた清酒を見たことがある方もいるでしょう。この読み方は「げんしゅ」といい、日本酒好きに愛されているお酒です。

こちらの記事では、原酒(げんしゅ)の定義や特徴、味わい、アルコール度数などについて詳しく解説します。

<原酒の成り立ち>

分岐条件名称割水
割水原酒-
通常の日本酒

原酒(げんしゅ)とは?その定義や意味

原酒とは、無加水ともいい、加水によるアルコール度数の調整を行っていないお酒です。

日本酒は、もろみを搾ったそのままの状態では、アルコール度数が20度前後あります。日本酒造りでは、アルコール度数を14度から15度程度に下げ、味わいも調整するために、調合(ちょうごう)・割水(わりみず)という水を加える工程を行います。

原酒は、その工程をせずに、水を加えずにそのまま商品として出荷されるのです。

ラベルに「無加水」と書かれているお酒をたまに見かけることもありますが、こちらも原酒と意味合いは同じで、中身に違いはありません。

また、よく混同されるものとして、「生酒(なまざけ)」がありますが、こちらは火入れ(ひいれ)という加熱処理を行わないお酒を指すため、原酒とは異なります。

[日本酒 作り方]

原酒(げんしゅ)の特徴

ここでは、原酒の味わいの特徴と飲み方についてみていきましょう。

味わい・アルコール度数


原酒は水を加えないため、アルコール度数が高く、非常に飲みごたえのあるお酒です。(通常の日本酒がアルコール度数15%前後なのに対し、原酒は20%前後)

加水された清酒は、味わいや度数が整えられ、飲みやすく仕上げられていますが、原酒の場合は調整されずにそのままを味わうので、その銘柄の持つクセや個性が前面に出てきます。本来お酒が持つ濃厚な香りや、高いアルコール度数からくるトロッとした力強い味わいは、原酒ならではのものといえるでしょう。

個性があり特徴的なお酒のため、最初は「少し飲みにくい」と感じることがあるかもしれません。しかし、一度気に入ってしまうと、その独特の魅力にどっぷりと浸かってしまう方もいます。

原酒の飲み方

原酒はそのまま飲むのももちろんおすすめですが、そのアルコール度数の高さを活かした、さまざまなアレンジも楽しめます。ここでは、おすすめの飲み方をいくつかご紹介します。

オン・ザ・ロック

原酒に氷を浮かべる飲み方が、「オン・ザ・ロック」です。アレンジとしては簡単ですが、氷を入れることで原酒の魅力が引き立ちます。

原酒は味わいと香りがしっかりしているので、氷を入れても風味を損ないません。また、氷が溶けてくると徐々に原酒が薄まり、爽やかさと柔らかさが際立って味わいが変化していきます。

「原酒の風味を楽しみたいけど強さが苦手」という方には、とくにおすすめできる飲み方です。

水割り

原酒を水で割って飲む飲み方です。

「通常の日本酒も水で割ってあるのだから、それと同じになるだけでは?」と思われるかもしれません。しかし、通常の日本酒のように割ってから熟成や貯蔵をしないので、きりっとした味わいや濃厚な香りがよりはっきりと残ります。アルコール度数を下げつつも、原酒の特徴を保つ飲み方といえるでしょう。

原酒8:水2くらいを目安にして、お好みの量で割ってみてください。そのまま飲むのもよいですし、寒い季節には燗につけたり、お湯で割ったりしても違った雰囲気を楽しめます。

カクテルベース

原酒は個性が強く濃厚な味わいを持つため、カクテルベースとして使うのもおすすめです。たとえば、次のような飲み物で割ってみると、原酒の違った一面を見られます。

<炭酸飲料で割る>
炭酸水やトニックウォーター、ジンジャーエールなどで割る飲み方です。氷を入れたグラスに、原酒と炭酸飲料を1:1の割合を目安にして注ぎます。

原酒のコクと炭酸の爽やかさが同時に味わえ、とても飲みやすくいただけます。

<かんきつ系ジュースで割る>
オレンジやレモン、ライムジュースなどを使った飲み方です。かんきつ系の果物は日本酒との相性がよく、また見た目もきれいな色合いで華やかになります。

<乳酸系飲料で割る>
乳酸系飲料で割る飲み方もおすすめです。どちらも発酵食品なので、意外と相性がよいことに驚くかもしれません。

<トマトジュースで割る>
トマトジュースを使ったカクテルはさまざまなお酒でつくられますが、原酒にもよく合います。トマトの酸味と日本酒の風味がよくマッチし、すっきりとした味わいとなります。

<緑茶で割る>
原酒を緑茶で割ると、和の雰囲気が前面に出たカクテルになります。口当たりがまろやかで飲みやすいので、あまり日本酒が得意ではない方にもおすすめです。

ここに挙げたものの他にも、原酒を使ったカクテルの種類はまだまだたくさんあります。自分好みのカクテルを見つけるのも、原酒の新しい楽しみ方のひとつといえるでしょう。

原酒(げんしゅ)で日本酒本来の風味を体感してみよう!

原酒は、水で割っていない分、力強く個性的な味わいを楽しめる日本酒です。銘柄の特徴が存分に出るお酒なので、好みの蔵元や銘柄を探す際に試すのもいいかもしれません。

また、高いアルコール度数を活かしたカクテルも楽しい飲み方です。ぜひ、自分に合った飲み方で、原酒の魅力を存分に味わってみてはいかがでしょうか。

知院ゆじ icon_twitter icon_instagram
・ソムリエ
・唎酒師(ききさけし)
・日本ビール検定 - 2級
ワインだけではなく、日本酒もビールも好きなおじさんです。ソムリエ以外に「唎酒師」「日本ビール検定2級」の合格実績があります。
「僕の書いた文が、お酒のつまみになればとてもうれしい」をモットーに、誰にでもわかりやすい内容となるように記事作成しています。
温泉に行ってその土地のお酒を飲むのが好きなのですが、いつも妻の運転手なのでなかなか飲めないのが悩みです。

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